孤島の垂涎
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発行者:千華
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/21
最終更新日:2013/03/02 21:44

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孤島の垂涎 第2章 飛行機の旅。クロードとセルジュ。
紫は、昔からとても可愛かった。
長い髪は毛先だけウェーブがかかり、腰まで届く美しい黒髪だった。
本人はもっと大きくなりたいと膨れていたが
やや低めの身長も、男からしたら『守りたい』と思わせる
小柄な体型だ。

対する葵は、大人しく気配りのできる妹とは違い、豪快な女だった。
一時は男と間違われるほどの短髪と、思いついたらすぐに行動に移る潔さ。
今は肩甲骨にかかるまで髪が伸びてしまったが
ただ単純に、美容院に行くのが面倒だった、と言う残念な理由がついている。
男友達も多かったし、逆に言えば女として見られる機会は少なかったように思う。

そんな、女性として触れられる機会の少なかった葵が
ただ今上空3000メートルの地点で、金髪の青年に髪を触られているのだ。
狼狽えるのも無理はない。

「う、あ………あの、クロード、サン」
「え? あ、悪い。触られるの、嫌いだったか?」

葵の呼び掛けに、クロードもハッとして距離を取る。
先ほどから飛行機はちょくちょく揺れているのだが、
彼はもう気にならなくなったらしい。
薬が効いたのか、それどころではなくなったのか。
お互い、乗り物酔いから解放されたらしく、目の前の異性に意識が注がれる。

「嫌い、と言うか。慣れてなくて、えと……」
「ん?」

どうした? と、俯く葵を、わざわざ下から覗き込むクロード。
先ほどまではあんなに喧嘩腰だったのに、
今はこんな近い距離で髪を触られている。
意識して触っていないと分かっていても、
こういった行為に慣れていない葵にとっては、
なんて答えればいいのか分からない。


「あ、まだ酔いがあるのか? お前さっき、寝ようとしてたもんな」
「大丈夫、です。クロードさんこそ……んっ」
「待った」

喋りかけの葵の口に、何かが触れた。
すぐにクロードの手だと分かり、彼の手の平が優しく、唇に触れている。
先を喋るな、と言う事だろうか。

何かが気に入らないそぶりを見せ、僅かに眉間に皺を作っている。

「クロード、でいい。敬語もいらねぇ。な? 葵」
「ん……んんっ」

全く手を退けてくれないクロードだったが、なんとか頷いて、
了解したとジェスチャーする。 
相手も満足してくれたようで、ようやく彼の手も離れてくれた。
まさか飛行機で、口を塞がれるとは思わなかった。
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