孤島の垂涎
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発行者:千華
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/21
最終更新日:2013/03/02 21:44

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孤島の垂涎 第1章 悲劇のはじまりと終わり。
 初めての給料で、初めて家族に旅行をプレゼントすることにした。
 人数は四人。父親と母親、それから高校二年生の妹。
 
 そして、社会人2ヶ月目の柊葵、23歳。
 柊家の長女で、ごく一般的な家庭に育った女性だった。
 
 国内で一泊だけの旅行だったが、全ての準備が整い、
 あとは家族に告げる段階まできていた。
 重大発表があるから、今日は皆早く帰ってきてほしい。
 家族にメールを送った葵は、誰よりも早く帰路につき、
 旅行のパンフレットを机に広げて待ち続けた。

 だが、どれだけ待っても家族が帰ってくる気配がない。
 不審に思い、携帯電話のメール機能を展開すると、
 30分前に妹から一通の謝罪文が届いていた。
 高校生活最後の1年。部活動で問題が発生し、
 帰りが非常に遅くなると言うものだった。
 早く帰ってきてほしいのは山々だが、焦らなくていいと返信して、
 暇つぶしにお風呂の準備にとりかかる。
 それにも終わり、いよいよすることがなくなってしまった葵は、
 どうも落ち着かない面持ちで一秒を無駄に過ごす。

 ようやく妹が帰って来る頃には夜の10時を回り、両親からの連絡は一向にない。
 いくらなんでもおかしいと感じ、心当たりのある場所に連絡を取るものの、
 望む返事はもらえなかった。
 一夜が明け、葵も妹も仕事と高校を休み本格的に動こうとした頃、
 警察からの電話が鳴った。
 
 両親が事故で即死した、と。
 
 葵からの連絡を受け、
 同じ職場だった二人は急いで車に乗って帰宅していた所に、
 トラックが突っ込んできた。
 トラックの運転手は飲酒運転で、同じく即死したらしい。
 
 信じられない事実を受け入れるしか選択肢がなく、慌ただしい日々が続いた。
 亡くなった後の難しい手続きは、遠縁の男性が全てやってくれた。
 顔も名前も初めて見る男だったが、とても丁寧に処理してくれた。
 おかげで助かったが、頼ることに慣れていない葵は、
 心苦しい思いでいっぱいだった。
 また、葵一人では二人分の生活を養えるだけの貯えもなく、
 仕事を変えざるを得なかった。入社してすぐに退職し、
 新しい仕事場でお世話になる、と言う段階まで来て、さらに不幸が襲う。
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