ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
完結
発行者:武上 渓
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/17
最終更新日:---

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ソングライター ホシオカ ー陸奥篇 第1章 ープロローグ
「そうではない。君達だけでなく、他の人々も歴史を改変しようとしたらどうなる?思想も信条も違うのであれば、ベストの歴史など存在しない」
アメンティティがたまらずに口を挟んだ。
「篠ノ井教授は、坂本龍馬を殺した人物を正しいと言われるのですか!」
教授はゆっくりアメンティティを見た。
「暗殺者は、正義と信じていた。武力以外でも幕府が消滅する事を理解していたのは、坂本龍馬 勝海舟 徳川慶喜 大目付永井だけだ。徳川の世になって、代々運命をもてあそばれてきた彼らにとって、将軍の首をとる以外の結末はあり得なかった」
理香子は首をかしげて聞いた。
「それは、陸奥宗光の事を言われてるんですか ?」
「陸奥もだ。幕府と藩の都合によって、陸奥の家族は2度の失脚に見舞われた」
「待って下さい。それじゃあまるで、陸奥が暗殺犯の1人みたいじゃないですか!」
「私は陸奥が暗殺グループの1人だと考えている」
「ありえません」
「何故かね?」
「陸奥は一番龍馬を理解していました。明治になって、もっとも龍馬を擁護したのも陸奥です」
星岡は話の展開についていけなくなった。陸奥は伊達小次郎の名で、星岡も会っている。東山で中岡慎太郎と共に救ってくれた人物だ。鷲のような風貌を思い浮かべても、暗殺には程遠い思いがした。
「陸奥は、龍馬が次に何をするかを理解していたに過ぎない。本質を理解したのは日清戦争が終わってからだ。だから擁護した。龍馬は正しかった事を理解するのに30年が必要だったのだよ」
星岡が素朴な疑問をぶつけた。
「暗殺の夜、海援隊は京に1人もいなかったんじゃないんですか?」
「いや。あの夜には京に5人の海援隊士がいた。そうだね?遠藤くん」
「1人は坂本龍馬。2人目は四条の宿屋に陸奥宗光。3人目は酢屋に白峰駿馬。あとの2人は名前所在ともに不明です」
「でも理香子。暗殺の話に陸奥は出てこないじゃないか…近江屋と四条なら近いのに…」
そういう星岡に、理香子は眉を寄せた。
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