ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
完結
発行者:武上 渓
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/17
最終更新日:---

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ソングライター ホシオカ ー陸奥篇 第7章 収束
稲沢は、坂本龍馬毒殺のサイトを開設したが即座に炎上した。久利坂のチームが煽動したせいだが、遺体に刀創が有ると報道されているせいも有る。
しかし、稲沢はひるまない。遺体のすり替えに言及して抗戦を続けた。記者会見は1週間延期された上に、篠ノ井教授と稲沢の対決の場になった。


会見場に二人並んで座り、目の前に記者とカメラマンがひしめいた。まず、篠ノ井教授の中間報告が行われ、質疑応答が始まった。
「フリーの山際です。よろしくお願いします。まず、陸奥の告白文についてですが…篠ノ井教授、真偽についてお答え下さい」
「真筆とも偽物とも判断できないとお答えしておきます」
会見場がざわついた。篠ノ井教授は、真っ向から否定すると思われていたからだ。
「ネット上では、稲沢さんの捏造であると言う意見が飛び交っていますが?」
「我々は専門家です。慎重に調査しなければ、結論を出せません。ネットの意見は根拠の無い感情論と受け取っています」
「稲沢さんは、原本の公開を要求されていますが、拒否されています。何故でしょう?」
「当該文書は、非常に誤解を産みやすい内容です。文書が書かれた目的…捏造であった場合も含めて、慎重に調査する必要が有ります」
山際は稲沢を見た。
「今の篠ノ井教授の発言について、稲沢さんの意見をお聞かせ下さい」
稲沢は青ざめた顔で、声を絞り出した。かなり、脅迫めいた言葉も浴びせられているはずだ。
「文書は…五輪塔を開けた時点で存在し…糸を切って、取り出したのは僕です。書体や様式は、陸奥宗光の真筆に間違い有りません。しかし、内容には、おかしな箇所が有り理解出来ない文章も有ります。ですが…坂本龍馬を砒素で毒殺した事を告白している事に変わり有りません」
「具体的におかしな箇所を一つあげて下さい」
「そうですね…坂本龍馬の護衛として須田と言う名前が出て来ます。彼は最新式の熱線の刀の使い手だったが、火種を使い果たしていて、暗殺時には太刀を帯びていたと説明しています。火種を用いた熱線の刀と言うものは、何を意味するか不明です」
「単純に、SFに出てくるビームサーベルを連想しますが?」
「歴史の話で、SFでも都市伝説の話でも有りません」
「だから偽物だと言う結論ではないのですか?」
「熱線の刀がビームサーベルと特定されれば、そうなります」
会見場は静まり返った。
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