ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
完結
発行者:武上 渓
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/17
最終更新日:---

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ソングライター ホシオカ ー陸奥篇 第6章 帰還
たらればを言えるのは、当事者では無いからです。
「その通り。だが今日の日本社会を見て、それが維新を源にしていると思うと、たらればも言いたくなる」
-愚痴ですよ。教授。愚痴から未来は生まれない。受け入れて、未来に向かう…それが歴史の役割だと思います
「過去に学んでも、過去を理由に言い訳するなですか?」
-言い訳しても現在は変わらない。過去に学んで、同じ過ちを回避するのなら、現在を変えられる
文句を言う暇が有るなら、行動しろ!ですよ
「学者に政治はできない。助言できるだけだ。たいていは聴く耳を持たれないか、手遅れになる。政治家は、正義の守護神とテロリストの両方を同時に平然と遂行しなければならない。笑みを浮かべながら、後悔もしてはならない。これをやれたのは、現代ではチャーチルだけだ。彼は人間ではなかったかもしれんがね」
-スタンドの椅子に座っていては、マラドーナでも得点できない。ピッチに降りて、出来る事をする。それが私の姿勢です
「試合の9割は、ピッチの外で戦われる。スタンドからしか見えない、出来ない事も有る」
-陸奥は、どうだったんですか?
「彼はスタンドとスタジアムの外が守備範囲だった。ピッチもやれたが両方は出来ない。坂本龍馬は最高のゲームメイカーだった。試合は同点で、PKをもぎ取っていた。しかし、そのプレイで彼は退場してしまった。陸奥は、ピッチに入ろうとしたが、監督の大久保利通は彼を選ばなかった。さらに、西郷を交代させ、PKはバーの上を跳び去った。坂本龍馬の退場は、陸奥がサトウにしてやられた。久利坂さんの話は、そう解釈しましたが?」
-つまり、ピッチの中で勝つ為には、外も勝たなければならない。日本は、中は世界レベルだが、外は町内会レベルって事ですか?
「日本プロスポーツ界を支配している人物は、明らかに町内会長だと思うがね…政治はやっと国際試合で引き分けに持ち込めるようになってきた」
-雑談が過ぎました。陸奥の告白文は、一時間で偽物にします。明日の記者会見は、一笑に伏して下さい
「私もすっかり、国家的謀略の手先に成り果てましたな」
-申し訳ない。巻き込んでしまいました
「私も150年後に開かれる、告白文を用意しますかな?」
しばらく言葉を探した後…久利坂は無言で携帯を切った。
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