ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
完結
発行者:武上 渓
価格:章別決済
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/17
最終更新日:---

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ソングライター ホシオカ ー陸奥篇 第1章 ープロローグ
「どういう事だ遠藤くん?」
美術館のエントランスで待ち受けていた館長も混乱していた。
「すいません。後で報告書にして提出します」
かわそうとする理香子の前に立ち塞がった。
「待つんだ。何が起こっているのか篠ノ井教授と私の前で説明する義務が君に有る」
「……はい…篠ノ井教授はどちらに?」
館長は顔を第2会議室に向けた。


篠ノ井教授は、発掘現場から飛んできたらしくグレーの作業着に土まで付けていた。メガネをかけた丸顔に見事な白髪を載せている。理香子と星岡、アメンティティは、うつむいている教授の前に座った。ゆっくりと顔が上がった。
「篠ノ井教授。申し訳ありませんでした。全て私達が原因です」
3人共に頭を下げた。
「成る程。君が遠藤くんか…驚いたよ。付着していたカビは、どう分析しても150年以上前に付着したものだ。君はどうやって、生前の井上にIDカードを渡したのだね?」
篠ノ井教授は右手で、汚れて古びたIDカードを見せた。
理香子は順を追って、慶應3年で起こった事と、それが戻された事を話した。


「…信じられないと思いますが、全部事実です」
館長は唸ったまま動かなくなったが、篠ノ井教授は何故か微笑んだ。
「確かに信じられないが。残念ながら信じればすべて説明がつく。しかし、君は歴史に携わる者としては、アメン君を止めるべきだった」
「そうでしょうか…後世に言えないような歴史を変えるチャンスが有るのなら、私は同じ事をすると思います。残念ながら、その機会は無くなりました」
「それでもすべきでは無い。欠落した歴史と云うものから学ぶべき事は少なくない。学ぶべきで有って、変えるものではない」
「程度によるとお考えになりませんか?」
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