ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
完結
発行者:武上 渓
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/17
最終更新日:---

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ソングライター ホシオカ ー陸奥篇 第5章 捜索
三人は再び勝鬘院多宝塔の中に戻った。
「久利坂さんの位置は判るんですか?」
「発信器を外さずにいてくれてるの。死ぬ瞬間まで位置は全部判る。不思議な人…」
「戻されると解っていても、やらざるを得ないのね。気持ちはわかるな…」
「じゃぁお望みどおりに、回収しに行きましょ」
三人は跳んだ。


星岡は、さほど様子が変わってないのに気付いた。
「ここはどこなんです?」
「勝鬘院多宝塔の中よ。150年前のね」
ミリティ姉さんは、腕時計型端末を操作して塔の中を目視可能にした。光源が有る訳ではないのに、塔の中が見える。
「どう?最新のアプリよ。物を好きな光度で発光させられるの。範囲も調整できる。消費電力は豆電球一個分が画期的。電灯の無い時代には最高のアイテムね」
「凄い。多宝塔の中って公開されてないから、見られるなんて最高。しかも、150年前だし…」
理香子は感嘆の声を上げた。
「そっちなのね…それは良かった。じゃあ~現在の久利坂さんの位置は?とっ…」
しばらく時間が掛かった。
「大阪の夷橋南側の飯屋か…セットするわね」
星岡が恐怖した。例の転送機だ!
「あれは勘弁して下さい!僕は歩きます!」
ミリティ姉さんは不気味に笑った。
「家電は日々進化してるのよ?昨日バージョンアップされた最新版は、気絶無し苦痛なし、対象物限定5個。ただ便意が発生する点が欠点ね」
「トイレの有るとこでお願いします」
「うん…でもこの時代は、物陰で済ますのが普通よ」
テクノロジーは便利さと引き換えに、常に代償を発生させる。
星岡は首を振るしか無かった。理香子は気にしてないように見える。不満顔で言った。
「そんなどうでも良い事言ってないで、跳びましょ?」
星岡はもう一度首を振った。その途中で、最新版転送機が起動した。



暗転した後、汚い暖簾が目の前に現れた。星岡には、蛇がノタウチ廻って見える白抜き文字が読めない。理香子は読んだ。
「たなや。多分、サトウが8月30日に行った飯屋ね」
星岡はすでに催している。
「日にち指定で判るのか?」
理香子は、右手の戸を指差した。
「ユキヒロ。あれがセッチンよ。行ってきたら?落ちないでね。板が腐ってるかもしれない」
「お先に!」
理香子とミリティ姉さんは、暖簾をくぐりかけたが、
ーあ゛~
と言う星岡の叫び声に引き戻された。
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