ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
完結
発行者:武上 渓
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/17
最終更新日:---

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ソングライター ホシオカ ー陸奥篇 第5章 捜索
「ここは?」
真っ暗な中に青い点が二つ浮いている。理香子が低い声で星岡に答えた。
「戻ったね。勝鬘院多宝塔の中よ」
ミリティ姉さんが腕時計型モニターのバックライトで三人を浮かび上がらせた。
「時間は、慶應3年に跳んだ直後1分ジャスト。頭を切り替えて!星岡さん、ここはどこかしら?」
「…大阪の夕陽ヶ丘だな?」
「正解。力のない解答をありがとう。私は、ここから警備隊の巡視艇に戻ります」
「ミリティさんの電話番号を教えて下さい」
「あら?ナンパされてるみたいで素敵。残念だけど古いタイプの通信機は持ってないの」
「じゃあ連絡先は?」
「あなたの携帯に、素敵だを5回言えば私の端末機に繋がります。電源を切って、5センチ以上口から離してね」
星岡は嫌な顔をした。
「一回になりませんか?」
「理香子さんと盛り上がってる時に、私と話したくないでしょ?」
星岡は、この宇宙人独特の思考方に慣れない自分をあきらめた。
「もちろんです。電源には注意して、5回以内にします」
ミリティ姉さんは、ウンと顔を斜めにしてうなずいた。
「出る所はあそこの隙間が開いてる板だから。じゃあまた会いましょう」
ミリティ姉さんは青い光と共に消えた。


理香子は、細めに板を開いて外を伺った。国宝に侵入したら間違いなく逮捕だ。
「大丈夫。誰もいない…あれっ!」
理香子は板の隙間を伺ったまま動かない。
「どうした?警察か?」
理香子は、板を外して外に出た。星岡も続いた。
理香子は、柵を越えるのも忘れて
「見て!」
と指差した。
「何か有るか?平屋の木造邸宅と日本庭園…あれっ?」
家隆塚とこの場所の間には、コンクリート壁に囲まれた寺と、二階建ての住宅が有ったはずだ。それが、文化財級の日本建築と庭園になっている。
「これって…?」
理香子はうなずいた。
「陸奥宗光邸。久利坂さんのせいね。子孫が鎌倉に移って取り壊された家よ」
「ありゃあ~チケット売場だ。記念館になってるんじゃないか?」
「じゃあ入館しましょ」
星岡と理香子は、愛染堂に引き返して、失なわれたはずの陸奥宗光邸に向かった。

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