ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
完結
発行者:武上 渓
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/17
最終更新日:---

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ソングライター ホシオカ ー陸奥篇 第1章 ープロローグ
4人は、久屋大通公園を南に歩き始めた。星岡は、源さんが理香子のIDカードを握って発掘された一件を久利坂さんに話した。
「歴史が戻れば、めでたしめでたしでもないわけか?」
「そうです。我々4人の記憶は残ってます。と言う事は、あの事件関係者も同じはずです。必ず理香子に会いにくるのが人情だと思いませんか?」
携帯のバイブが
ブブブ ブブブ
と鳴った。
「ごめんなさい…」
理香子が携帯を耳に当てた。
「それに。この原状復帰はところどころ完全じゃない。久利坂さんは若返って戻ったり、龍馬暗殺の日が1日遅れたり」
「こう考えたら良い。俺達が歴史を変えたのも、特命チームがアメンを止めたのも、一連の流れだとね。自分の時空間を離れる事で、時空間スパイラルの間にバイパスを持つ事になり、バイパス通過の因果関係が加えられる。もとに戻ったのではなく、因果関係は未来に向かって動いただけだと。確率の範囲内で、結果は変わる訳だ」
アメンがうなずいた。
「それなら、タイムトラベルのパラドックスは起きませんね。過去の父親を殺しても、自分は消滅しない。別の因果関係の流れにあれば、生まれた後に戻って殺す順序になる…理香子さんどうしました?」
「美術館から電話で、篠ノ井教授が面会に来てるって」
「源さん事件の関係者か?」
「IDカードを見つけたご本人」
「早すぎないか?」
「事件になる前に、こっちに向かってたみたい。気持ちは良くわかる。IDカードには、ちゃんと150年経ってる痕跡が科学的に検出されたはずだからね。むしろ事件になってる事を美術館で聞いてビックリしてるらしい」
「じゃあ徳川美術館に行くか…久利坂さんはどうします?」
「元の公安官に戻るしかないな。30年振りだがな」
「あっじゃあこれを!」
アパートから持ってきた携帯二つを渡した。
「ひとつは龍馬さんのです。充電があんまりなんで、素早くメアド交換しましょう」
赤外線ポートで交換を済ませた。不思議そうに携帯を見た後、久利坂さんは去った。


「久利坂さん。あれから30年龍馬さんと生きて、また30年戻っちゃったんだね」
「しかも明治をだ。リハビリしながらってとこだな。とにかく。篠ノ井教授の不定愁訴を解消しに行こう」
そういう星岡もリハビリの必要を感じていた。
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