ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
完結
発行者:武上 渓
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/17
最終更新日:---

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ソングライター ホシオカ ー陸奥篇 第3章 阻止
「前提が違うのね。開戦のプレッシャーで、幕府が政権を放棄する場を形成し維持するのが坂本さんの前提。その場は維持できないと云うのが陸奥の前提…未来から見てる私としては、坂本さんが正しいかな…」
「陸奥らしくないな。戦わない方が良いことだらけじゃないか?」
「戦ってもらわないと困る人を陸奥が担当してるのが原因ね」
「誰なんだ?」
「アーネスト メイソン サトウ。薩長に銃や大砲を供給してるイギリス商は、薩長が政権を取らないと代金が回収出来ないのね。実際は回収出来ずに倒産したケースも有ったみたい。グラバー邸って知ってるよね」
「長崎に有る洋館だっけ?」
「そう。トーマス グラバー。彼も倒産したひとり」
「本当に?知らなかった」
理香子はフンとため息をついた。
「話を戻すね。陸奥は、サトウに前提を刷り込まれた。まぁサトウは自分の立場に沿って話をしただけなんだけど、理論家が陥りやすいミスね」
「待てよ。ひとひとりの命が左右されてんだぜ。ミスじゃ済まされないだろ?」
「歴史は判断ミスの博物館よ。ノルマンディー上陸作戦じゃあ、破壊されてるはずの機関銃座が無傷で、たくさんの兵士が死んだ。アントワープに追い詰められたイギリス軍を攻撃せず、ヒトラーは脱出するのを許したりとかね。陸奥は30年後にミスに気付くけれど、曲がってしまった軌道を修正するには30年は長過ぎね」
「ミスだって判ってるのに、それを許さなきゃならないって間違ってないか?」
「篠ノ井教授が言ってたじゃない。歴史は変えてはいけないって…思想信条が違えばベストの歴史なんて無い。私もそう思う。坂本さんが死ななかった歴史にも問題点が無かった訳じゃない。ただ私達の思考に合ってるだけ」
星岡は黙って、河原町の方向を見た。
「久利坂さんは、陸奥のミスをどう思ってるのかな?それでも、暗殺を許すのかな?」
理香子も河原町の灯りを見た。
「私は。陸奥にミスを気付かせれば、維新の今気付けば…修正は効くと思う」
「イヤ待て。気付いたら暗殺やめるだろ?そんな事になったらアメンが危ない」
ミリティ姉さんが重い口を開いた。
「陸奥にやめさせて。その後…久利坂さんがヤルわね。間違いなく」
星岡は眉を寄せて、ミリティ姉さんを見た。
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