ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
完結
発行者:武上 渓
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/17
最終更新日:---

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ソングライター ホシオカ ー陸奥篇 第3章 阻止
-伊達さん。サトウからは助太刀せよとだけで、詳しくは伊達陽之助に聞けと言われました。何故坂本龍馬を襲うのです?ー
-その前に、君の素性を伺いたいー
-素性など云うまでもない芸者です。サトウが道で襲われたのを助けた時に、腕を見込まれたまでの事。用心棒稼業の浪人に過ぎませんー
ーそれにしては。先程の太刀に血の曇りが無かった。人を斬った事は無いと見ましたが?ー
-この稼業。おかげさまで身入りは悪くない。雇い主が変わるごとに太刀は買い替えるのを性分としておりますー
-なるほど…しかし太刀筋は尋常では無かったから信じるとしましょうー
-恐れ入るー
ー先程の問いだが答えよう…要は、坂本さん一人の為に武力倒幕が出来ない状態だと云う事ですー
ー武力を使わずとも、幕府は倒れましょうー
-もちろん倒れます。しかし、それをほとんどの志士は理解できない。説得しても納得する者はいないのが現実なのです。おそらく、暴発して開戦するのは時間の問題です。しかし、薩摩の西郷は坂本さんに説得されて、サトウの武力革命の援助を断ってしまった。長州も中岡さんが抑えている。薩長抜きで、志士が暴発したら犬死にの山が出来る。彼らも倒幕の重要な戦力です。彼らを失えば新政府発足は遠のく。それは幕府の思うつぼだー
ーだから武力倒幕をする為に、坂本龍馬を殺めると?ー
ーそうです。坂本さんは、西郷が動かない限り暴発はないと繰り返すばかり…しかし現場はたぎっている。将軍慶喜との折衝に懸かりきりで、感覚がずれているー
ーしかし、肝心の幕軍が大阪を退去すれば、暴発のしようもないのでは?ー
ーエゲレス公使館が退去を妨害に動いている。居留地保護の名目で、艦隊が天保山沖を封鎖する予定と聞いた。坂本さんはメリケンのファンケルバーグに戦艦一隻で将軍を座乗船まで運んでくれるよう頼んでいるが、間に合う距離に戦艦がいないー
-間に合わないと見た西郷は、開戦に踏み切るのでは?ー
ー西郷は中岡さんと坂本さんとの約束を違える人ではない。しかし、二人が斬られたとなれば、先の段取りをする人が居なければ開戦やむ無しとするのは必定だー



星岡はウ~ンと唸って理香子にきいた。
「理屈は通ってるけど、実際どうなんだ?陸奥は正しいのか?」
鴨川のせせらぎがしばらく二人の間に流れた。
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