ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
完結
発行者:武上 渓
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/17
最終更新日:---

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ソングライター ホシオカ ー陸奥篇 第3章 阻止
「白川屋敷ではどうか?」
陸奥は怯えた目で言った。理香子は首を振った。
「遠い。酢屋は?」
「酢屋の者に聞かせられる話ではない」
「ならば…菊屋は?」
再びカマをかける。
「本屋か…よかろう」
またもやヒットした。理香子は河原町本通りに向かって先頭を歩き始めた。絵図の菊屋の場所を思い浮かべた。
やがて、菊屋と書かれた看板の入口を入った。

主人は陸奥を見ると言った。
「これは伊達様。二階にお連れ様がお待ちです」
と言って促した。
二階には、二人の日に焼けた男が居て、鋭い視線を向けてきた。
「心配ない。サトウの使いだ」
丸顔の男が眉間に皺を寄せて言った。
「そうか。座布団はない。適当に座ってくれ」
ぎごちなく刀を腰から抜く星岡に細面のもう一人が聞いた。
「そっちの三人。刀は偽装か?まさか異人ではあるまいな?」
星岡に理香子、ミリティも彼らより身長が高い。しかし、陸奥が面倒臭そうに遮った。
「橋本…時がない。詮索はあとにせよ。須田の話を聞こう」
二人は黙った。
理香子は、橋本は久太夫だと踏んだ。日焼けしているのは船員だからだ。ならば、丸顔は小谷耕蔵だ。
「須田は、メリケン製の剣の使い手です。この剣は刀を融かす高熱で、刀ごと焼き切られてしまいます」
それを聞いた橋本は、丸顔に言った。
「どうじゃ船長?言った通りだ。光る剣じゃ。斬り込むのは危ういぞ」
「…真ならば、久太夫…お主の策でゆくか?伊達さんはどう思う?」
「軍鶏鍋に盛るのは良いが、効くのか?そのヒ素とかは?」
橋本久太夫は、頷いて言った。
「腐ったものを食った時と同じようになる。だから解毒が遅れて死ぬ。須田にも食わせれば得意の剣も使えまい」
陸奥は、星岡達に言った。
「サトウに伝えられよ。今夜軍鶏鍋に毒を盛って決行する。小谷と橋本で行う」
久利坂が口を開いた。
「事が破れた時は、私が斬り込もう」
陸奥は久利坂の刀を見た。
「腕に覚えが?」
その鼻先にいつの間に抜いたのか、切っ先が有った。
「判った!刀を収めてくれ。頼む!」
星岡は明らかに、久利坂が怒っている事を感じた。星岡ですら、陸奥を問いただしたい思いをこらえていた。何故だ!と…。
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