ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
完結
発行者:武上 渓
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/17
最終更新日:---

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
ソングライター ホシオカ ー陸奥篇 第2章 四天王寺前夕陽ヶ丘

理香子は五輪塔を睨んだまま動かない。
「にらむと何か動くのか?」
「ユキヒロ…これに、これから言う事を、縦に書いてみて」
理香子は、ボケットからスヌーピーのメモ帳をとりだした。
「空。風。火。水。地」
それは、上から順に五輪塔に刻まれている文字だった。
「オーケー。書いたぜ」
しばらく、理香子は考えていた。
「横に書いて。ソラ。カゼ。ヒ。ミズ。チ。それをローマ字にして、その横に。その横に頭の英字だけ並べて」

空 ソラ sora   s
風 カゼ kaze   k
火 ヒ hi    h
水 ミズ mizu   m
地 チ ti    t


「sは白峰駿馬。kは小谷耕蔵。hは橋本久太夫。mは陸奥宗光。tは…谷干城かな…」
「いったい何だ?教えてくれよ」
「あ~ごめんね。もし陸奥が五輪塔に意味を込めたとしたら、この5人が坂本龍馬暗殺の犯人グループって事」
「京に居た海援隊か?」
「谷は陸援隊なんだけど、第一発見者の1人だから、白峰駿馬と共に、犯人の可能性があるの」
星岡はメモを指差した。
「小谷耕蔵は?」
「彼は海援隊士なんだけど、佐幕だったの」
「サバク?」
「幕府擁護論者って事」
「?。反幕府組織の海援隊に、なんで幕府賛成派がいるんだ?」
「龍馬さんは、宗教思想信条の自由な世界を目指してた。小谷耕蔵が佐幕論で海援隊士と揉めた時、龍馬さんがー佐幕ひとり受け入れられん事はなかろうーって言って海援隊に入った人物なの」
「なんてこったいだな。で、橋本久太夫は?」
「元は、幕府の船に乗ってたんだけど、酒の上のケンカで海に飛び込んで逃げる所を龍馬さんに救われて、海援隊に入った人物ね」
「それがなんで容疑者に?」
15
最初 前へ 12131415161718 次へ 最後
ページへ 
TOP