ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
ソングライター ホシオカ ー陸奥篇
完結
発行者:武上 渓
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/17
最終更新日:---

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ソングライター ホシオカ ー陸奥篇 第2章 四天王寺前夕陽ヶ丘
「夕陽って言葉が無いじゃん」
「ストレートに夕陽って言わないのが歌の味わいなの。フォークシンガーなら分かるでしょ?」
「わかんないから、受けないんだろうな」
「私はユキヒロの歌好きだよ」
「それはどうも。…おいこの駅なんだよ?西中島なのに南方って。西なのか南なのかどっちだ」
西中島南方の駅名が後ろに消えた。そして、鉄橋で川を渡り始めた。さらに横を車が並走している。やがて、列車は下り坂に入ってトンネルに飲み込まれた。
「成る程。ここから地下鉄になるんだな…ウン?理香子聞いたか?」
「踏み切りの音だね?」
カン カン カンカンカン
走行音に混じって、やがて消えた。すぐに、中津駅が現れた。
「さすが大阪だな。突っ込み所満載だ。踏み切りの有る地下鉄なんて初めてだ」
この音は梅田駅に入る前にも聞こえた。どっと人が流れ込んで来て、車内はすし詰めになった。なんば駅でほとんどが降りてゆく。
「意外だな」
「何が?」
「もっとコテコテの関西弁が聞けると思った」
「名古屋だって、オミャーとかダガヤなんて言ってる人いないじゃない。偏見だよ」
御堂筋線は、動物園前駅を過ぎ、天王寺駅に到着した。


谷町線の矢印にそって、登ったり降りたり、長い地下道を歩いたりで、やっと地下鉄谷町線のホームにたどり着いた。
「増築繰り返した、温泉旅館みたいだな」
「谷町って聞いた事ない?」
「聞いた事ないな…」
「相撲の後援者の事、タニマチって云うでしょ?」
「ここの話なのか?」
「お相撲さんの治療を無料でしてたお医者さんがいたの。谷町にね」
「両国の方じゃなくて?」
「そう。きっと儲かってたのね。陸奥の邸宅が有ったくらいだから、高級住宅街なのよ」
茶色い電車が来て、一駅で四天王寺前夕陽ヶ丘に到着した。


「えっと…5番出口だね」
けっこう長い階段を登り切ると、道路際の歩道に出た。
「出て…左で、喫茶店の所を左折だね。あとはまっすぐ」
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