時空の飛翔
時空の飛翔
成人向
発行者:上宮知樹
価格:章別決済
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ジャンル:SF
シリーズ:時空の飛翔

公開開始日:2012/11/05
最終更新日:2014/04/18 12:45

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時空の飛翔 第1章 昭和
警察や自警団が出てきて、正吉と対峙したが、弾丸のような石炭に次々と射殺されていった・・・本当に弾丸のようであったのだ・・・次第に事が大きくなり、騒ぎも広がっていく、あまりの犠牲者の多さに、しまいには軍まで出動する事態となった、野砲が用意され、ほぼ水平射撃の要領で正吉に狙いを定める。
あまりに近づけば、石炭の弾丸に打たれるだけとなる為、ほぼ百メートルの距離から狙いを定め、慎重に引き金が引かれた「撃てっ」
砲弾が正吉目がけて発射され、轟音と共に命中、爆発した。
正吉は再び倒れ、ひと塊の炭になったように見えた、だが死んではいなかったのである、正確には気を失っていただけだ・・・うつ伏せの正吉を裏返すと、胸の部分に溶解して張り付いた弾頭の金属が丸く残っていた、貫通出来なかったのである・・・正吉は軍用トラックの荷台に幾重にも鎖で縛りつけられて
連行されていった、その後、特に裁判するでもなく処刑される事となったが、何をもっても命を絶つ事が出来ない、軍刀は擦り傷一つ付けられず、弾丸は貫通しない・・・正吉の表面には何か砂鉄の膜のような
鎧が付いているように見えた・・・それがあらゆるものを遮り、正吉を守っていたのである。
この件は軍の上層部に知られる事となり、上手く研究すれば、無敵の兵士が誕生するかも知れないという期待感から、この場所に「保管」される事となった・・・真田少尉の仕事はこの「鉄男」を観察、分析し、その膜の正体、原理が何であるのかを突き止め、それをどんな人間にでも被せる事が出来るように実用化する事だった、しかし、何が原理でそのような体質が出来るのか?誰にも分からず、当初は二十人近い研究者が投入されていたが、次第に人員が削減され、今は真田を含め、三人の職員が研究を続けるのみだった。日本の敗色は日に日に濃さを増し、誰もが無口になり、大本営のラジオ放送が単なる雑音でしかないという事実に国民の殆どが気づきだした年の瀬、研究に必要な資材や機器の調達も不可能になりつつある
その年の冬は珍しく雪が降った・・・真田は夜勤の当番の合間、しばらく中庭に出て、日課のタバコを楽しんでいた、その日の夜はひどく静かで、ぽつりと月が浮かび、青白く雪の表面に光を投げかけていた、風は無く、タバコの煙がまっすぐ上に立ち上るほどの凪・・・すると遠くからシュシューと蒸気が噴き出
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