時空の飛翔
時空の飛翔
成人向
発行者:上宮知樹
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:SF
シリーズ:時空の飛翔

公開開始日:2012/11/05
最終更新日:2014/04/18 12:45

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
時空の飛翔 第1章 昭和
しかし、戦時下の言語統制の下では言いたい事も言えず、警察そのものもあてにならない、人々はいつしか、人体実験が行われているに違いないと噂し合うようになった。
その獣?を監視しているのは、真田という陸軍少尉、ごく限られた人数の同僚と共にその獣人間の管理と観察をしている。その人間は、地下室にある十メートル四方はあろうかという鋼鉄の箱に閉じ込められている。扉には小さな鉄格子、その箱には相当な歪みがあり、扉も歪んで開け閉めが不便な程だ・・・
天板の四隅には鎖が繋がれていて、持ちあがらないようになっている。それもまるで軍艦をつなごうかという鎖の太さだ、何故、ただ一人の人間に対してこのような対策が必要なのだろう?
それは鉄男が持つ特異体質「念動」による事故に対してだ・・・
鉄男は元工場の労働者、若干の精神障害があり、兵役は免れて単純労働に従事していた。
本名は正吉、まだ18歳の青年である。
いつものように仕事を終え、何とはなしに歩いている正吉の真上にどこからともなく光る三つの「玉」が飛来した、その玉は音も無く飛び、時折色を変えて虹色の変化を繰り返し、垂直の上昇、下降、突如消えて別の場所に現れるといった、まるでこの世のものとは思えない動きをしていた。
周りの男たちも、ありゃあ何だ!と見とれているしかなかった、アメリカの新兵器かい?もうこんなとこまで飛んでくるようになったのか!と騒ぎ立てた・・・一人二人と気づき始め、数十人がその「玉」に注目し始めた、正吉自身も気がついて、ただ、ぼうっとその「玉」に見入っている。
ただ、正吉とその他大勢の違いは、正吉がその玉を目で確実に捉えていた事だろう、一瞬消えた玉が次にどこに現れるのか自身の目で追跡し、確認出来ていたのである。暫く踊るように飛び回るその玉を眺めていると、いきなり玉の一つから正吉めがけてひとすじの光線が放たれ、その青白い光線が正吉の頭部を射抜いた、まるで閃光粉が爆発したかのように光り、頭部そのものが電球のように白熱して見えた。
彼は即死状態で倒れた・・・その時、確かに正吉の頭部には穴があき、煙がもうもうとたち上っていたのである、誰もが正吉の死を疑わなかった・・・お、おい、大変だ!正吉が殺された!け、警察を呼べえ!
2
最初 前へ 1234567 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ