時空の飛翔
時空の飛翔
成人向
発行者:上宮知樹
価格:章別決済
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ジャンル:SF
シリーズ:時空の飛翔

公開開始日:2012/11/05
最終更新日:2014/04/18 12:45

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時空の飛翔 第1章 昭和
真名瀬教授の研究テーマは千里眼や透視といった超常能力に関するものだったからだ、無論「念力」もその一つであり、もしも教授が存命でありさえすれば、鉄男の存在に狂喜乱舞したに違いないと常々思っていたからである。当時の軍部は真名瀬教授の千里眼研究に注目し、数千キロ離れた敵が今どこで何をしているのか?探れないものかと協力を依頼した、しかし、教授は戦争に超常能力を使う事を良しとせず、研究結果の提出や協力をひたすら拒み続けていたのである、軍部の逆鱗に触れた教授は強制的に招集されて、サイパン島で地雷に触れて死んだ・・・何と愚かなのか!悲嘆する毎日が続いた・・・勝てもしない戦争に若者の命を浪費する事はおろか、これからの国を担う学者を殺してしまう・・・この国に未練はない・・
明日も無いと無意識に信じるようになっていた・・・地下牢の撤去にはことのほか時間を要した、何故なら厚みだけでも十センチと軽巡洋艦並みの鉄板の厚さがあった為、解体に手間取った事と、地下室そのものを埋め戻して何も無かった事にする作業も加えられていたからだ・・・東京空襲は既に始まっており、いつ米軍の爆撃を受けてもおかしくない状況ではあったが、不思議とこの場所だけは爆弾の洗礼を一度も受けずに済んでいたのである。
宇宙人の予言どおり、8月6日に広島への原爆投下、続いて長崎へと、予言が的中していった。
真田は大方の作業を終えて、資料の焼却にとりかかっていた、分厚い資料の束、つづりを中庭に積み上げて、アルコールを降りかけ、端から火をつけた、中庭の通用口に置いたラジオから玉音放送が流れている。
次第に黒く焼け焦げていく資料をぼんやりと眺めながら、煙にむせないように口を塞いでいる時、不意に背後からトラックの音が聞こえて来た、それも相当の台数である・・・今更軍が来るのだろうか?
そう思いながら作業を続けていると、何やら英語が聞こえて来た、まさか!米軍?
まだ、降伏はしていないはず!と思う間もなくその英語の叫び声が近づいて来た、荒々しくドアを開け、複数の兵士が騒々しく内部を確認していく様が見えた、やがて自身の背後にもおびただしい数の兵士が押し寄せて来て、ワット、アーユードゥーイング?(何をしている?)と詰問してきた、真田は何丁もの銃が自身に向いている自覚があったので、そのまま両手を上げて振り向いた。
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