取り残された乙女たち
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発行者:日向章
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ジャンル:その他

公開開始日:2010/06/25
最終更新日:---

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取り残された乙女たち 第10章 第10章 切り裂かれた白衣
 闇。

 漆黒の彼方、微かに光の予感が感じられる闇が眼前を覆っている。

 手を伸ばした先が何かに降れ、麻由は指先でその形状を辿った。
 これはスチール棚だわ。
 目隠しをされる前に見ていた部屋の様子を思い浮かべる。

 そうたしかに、壁際に医療用具を入れていた棚があった。
 危険なもの、ぶつかると怪我をしそうなものはどけておくよと男は言っていたが、このスチール棚に勢い良く当たれば痛い思いをしてしまう。
 やっぱり手探りで慎重に進まなければ。

 でも、ああ──。
 体は駆け出したくなるほど疼いている。

 ペアを組まされた麻由と千里は、男に連れられて小さな診療所にやってきた。
 震災当初は落下物で怪我をした村民たちの治療場だったが、全員避難したいま、村の他の場所すべてと同様、ひっそりと静まり返っている。

 男と少女二人はよく働いた。
 倒れていたものを元に戻し、施設内を掃除して、村人たちが戻ってきたらすぐにでも診療が再開できるように整えたのだ。

 震災ボランティアの仲間として汗を流していた男の態度が豹変したのは、作業を終えて小休止しているときだった。

「じゃあ、そろそろお楽しみといこうか」

 そう言って彼が取りだしたのは、どこかから見つけてきたナース服二着だった。

 麻由と千里は青ざめて首を振った。
 しかし彼女たちも他の少女と同様、自分たちが拒否できる立場にないことを熟知していた。
 誰かが反抗すれば、十二人の乙女全員が連帯責任を取らされ、男たちの毒牙に掛かってしまう。

 少女たちはそれを着た。
 鏡に映してみると、ピンクでミニのナース服はかわいらしかったし、ナース帽も気に入った。
 こんな状況でなければはしゃいでいたかもしれない。
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