取り残された乙女たち
第9章 振り絞る汗の匂い
再び唇を重ねたまま報告を命じる。
もはや少女たちは、理性が抜け落ちたように恥ずかしい言葉を口にした。
「あああ。オ×××いじられながら、チ××を触ってます。固いの。チ××がすごく固いの」と多佳子。
「も、もうダメです。立ってられなくなります。オ×××をいじられすぎて腰が抜けちゃいます! チ、チ××をこすり上げながら、瞳、腰をガクガク震わせてます!」と瞳。
これ以上の快感はねえな。
ぐちゅっ、ぶちゅっと乙女たちの唇をむさぼりながら、男は悦に入っていた。
目の前数センチで美少女たちが卑猥な報告をしながら、懸命に自分の怒張をこすっている。
王様にでもなった気分だ、彼は思った。
ひとしきり堪能すると、彼はいったん二人から離れた。
「よし、そろそろ本当に体操をしようや。互いに背中合わせになれ」
少女たちは顔を見合わせると、もじもじしながら互いの背中をくっつけた。
多佳子のほうがわずかに背が高い。
「次は、バンザイをして、後ろで相手の手首を持つ」
少女たちは両手をあげた。
瞳が多佳子の手首を握った。
「そのまま瞳は上半身を倒せ。背中に多佳子を乗せるんだ」
つまり柔軟体操でよくやる、交互に相手を背負う運動だ。
非力な少女でも、腰を踏ん張ればなんとかパートナーを背中に乗せることができる。
瞳がぐっと力を込めて上半身を前に倒すと、体が伸びた多佳子はのけ反るような格好で天を向いた。
肺が広がったせいか、はあああーっと声を漏らす。
男は重なった少女たちの体に歩み寄った。
二人の頭の前に立つ。
懸命に友人を持ち上げている瞳は下を向いたままだが、上でのけ反っている多佳子は苦しげな表情で彼を見上げる。
「そのままにしてろよ」
命じて、男はじっと多佳子を見下ろした。
髪の毛を逆立て、バンザイの形で苦しそうにのけ反る姿は、可憐さからはいちばん遠いところにある。それだけに嗜虐感を誘った。
女子高の体育教師は、こんな苦しげな格好の少女たちに、いつも欲情しているのではないか……。
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