取り残された乙女たち
第1章 プロローグ
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肛門を軽く押していた男の指は、やがて下にずれ、敏感な秘肉を嬲り始めた。器用に布地でクレバスの筋を作られ、理亜は恥ずかしさで真っ赤になった。
「この陥没した崖に、簡単な橋でも掛けてお迎えに行きたいんですが」
職員は理亜の羞恥など気づかず、のんびりと言う。
「さっき言ったようになかなか手が回りませんで。4、5日から一週間掛かるかもしれませんが、その間大丈夫ですか?」
「ご心配なく」
男が答える。
「集まっている小学校には被災用の食料も十分ありますし、水も電気も通ってます。私たちより、他の地区の被災者の救助を優先してあげてください」
優等生の答えに職員が満足そうに頷き、理亜の
ほうを向いた。
「そちらのお嬢さん、皆さんは紫陽花女子短期大学のボランティア部の方々ですね。いま閉鎖されている状態ですが、辛くはないですか?」
ここで大声で助けを求めることができれば。
しかし人質になっている10名の仲間のことを考えると、とてもできなかった。
すっ、と背後からショーツの中に男の手が滑り込んだ。
牽制しているのだ。
悲鳴を上げたいのをこらえ、笑顔で答える。
「大丈夫です。いま言ったように生活には不安はありませんし」
「男の人たちは皆紳士だし」
背後で低く男が囁く。
ため息をつき、復唱した。
「男の人たちは皆さん、紳士ですから」
その間、背後の男の指は、ずっと彼女の菊穴を広げていた。
指の一本がおずおずと入り込んでくる。
異様な、しかしどこか甘い感覚に、彼女は目を閉じ、唇を噛んだ。
「そうですか、ではすみませんがよろしく。なにかあったら昨日の様に、役場に無線機で連絡を入れてください」
その無線機。男たちに占領されている無線機さえあれば。
携帯がつながらず電話線が切れている集落が本当はどんな状態か、伝えることが出来るのに。
職員たちが再び車に乗り込み、去っていくまで、理亜と男は手を振り続けた。
男のもうひとつの手は菊穴を嬲るのに飽きて、ショーツの中で理亜の秘部を弄んでいる。
さんざん嬲られたそこが、糸を引くほど濡れそぼっているのが火が出るほど恥ずかしかった。
公用車がUターンして行ってしまうと、それが合図のように、男の指がずぼりとめり込んできた。
「ああ……」
(続く)
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