取り残された乙女たち
第3章 由美
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「そうか、あんた短大ボランティアサークルの部長とか言ってたな……」
男はそういうと、ひるむ様子もなく言い返した。
「奴隷のようもなにも、この由美っていう娘は、自分から俺の腰にまたがって腰を降ってるんだぜ。なぁ?」
そういうと孝司は、正面にある由美の髪をつかみ、顔を上げさせた。
愉悦で蕩けそうな少女の唇からは、一筋の涎が垂れていた。
「なあ由美ちゃんよ。自分でやりたくてやってるんだよな?」
「はい、そうです。由美は気持ちよくて孝司さんの上にまたがっています……」
「そうだよな。例えば、いま俺が、胸を見せてみろって言っても、自分が見せたいから見せるんだよな?」
「はい、そうです。ああ、由美のおっぱい見て……」
そういうと少女は、形の良い乳房を惜しげもなく露にした。
胸を露にした由美は、前にも増して腰の動きを早める。
「キスをするんだ」
「はい……」
ぽったりとした唇を、ざらついた男の唇に重ね、あまつさえ自ら舌を絡ませていく。
まさに快感をむさぼる性奴の姿だった。
孝司と正面から対峙しているボランティア部の部長の彩は、そんな部員の変貌ぶりに眉をしかめていた。
6名の男達に、倍の数の女の子達が自由を奪われている。
そんな状況のなか、この娘は男達のリーダーに自ら身体を捧げ、歓心を買うことで、食料や有利な立場をモノにしようとしているのだ。
怒りで震える思いがした。
しかしいまは由美を怒っても仕方ない。
対決すべきは男達、とくにリーダーのこの孝司という男だ。
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