取り残された乙女たち
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成人向完結アフィリエイトOK
発行者:日向章
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ジャンル:その他

公開開始日:2010/06/25
最終更新日:---

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取り残された乙女たち 第10章 第10章 切り裂かれた白衣
 さんざん口の周りを犯した彼は、一応濡れたそこを拭ってやると、ベッドに腰掛けた状態の彼女を抱きかかえ、床に降ろした。
 全身に痺れが回っている千里は、膝を突いた状態で四つんばいになる。

(いや……何をさせるの……?)
 そんな表情で見上げる少女に、男は冷たく言い放った。

「トイレに行きたいだろう? ついてってやるから、その格好で這って行けよ」
「うう!」

 自由の利かない体で、診療所の廊下を這いながらトイレを目指すなんて!

 しかし頭ではそんな屈辱を受け入れられないものの、体はその言葉を待っていた気がする。
 尿意がそろそろ限界に達しようとしていたのだ。

 千里は床についた手のひらと膝を、ゆっくりと交互に進めていった。
 一歩、また一歩。
 部屋から出るとき、男がドアを開けてくれた。
 どうやらこんな自分を見下ろしながら、ずっとついてくるつもりらしい。
 それも嫌だったが、いまはそんなことを気にしている余裕はなかった。
 早く目的を達しなければ大変なことになってしまう。

 リノリウム張りの廊下は果てしなく続いているように見えた。
 本来なら薬品の匂いが漂い、看護師や患者が行き交うはずが、しんと静まり返っている。
 診察室にいるはずの麻由とこの男、そして自分を含めて三人でこの建物を独占しているのだ。
 いや、実質的に支配しているのは、頭上で私を冷たく見下ろしているこの男ただ一人なのだ。

 ぺた。ぺた。
 手と膝を機械的に前へ進めていく。

 全身の痺れは相変わらずだったが、四つんばいで体重が分散されているせいか、そうやって這うことはできた。
 ただしもどかしいほどゆっくりで、尿意との競争に負けてしまいそうな進み方だ。
 廊下の先にある「WC・婦人用」の札が眩しく見える。
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