取り残された乙女たち
第10章 第10章 切り裂かれた白衣
と、今度は前から胸を掴まれた。
ナース服とブラジャー越しに、乳房がぎゅっと揉まれる。
少女はまたもや悲鳴を上げた。
しかし、頭は別のことを考えていた。
これは掴まえるチャンスかもしれない。
痴漢の腕を取ろうとしたが、既に相手は逃げた後だった。
ダメだ。
再び恐怖が甦ってくるかと思ったが、そうではなかった。自由の利かないこの状況で、相手のいいように嬲られることに、次第に甘い被虐感を感じてきたのだ。
もちろん媚薬のせいだろうが、本当にそれだけだろうか?
ああ、私、弄ばれることが好きになってる。
私の中で、変態女が目を覚まそうとしている。
一時間ほど前まで無邪気に笑っていた可憐な少女は、いまは奥底に淫女の血をたぎらせ、ふらふらと男を求めて彷徨っている。
しかも白衣の天使の格好をして。
再び後ろから服が引っ張られた。
次にジョリッという音。
途端に尻がスースーする。
何が起こったか、少女は瞬時に理解した。
服が切られたんだ。
この人、私の肌には傷つけないって言ったけど、服のほうは切り裂いて楽しむつもりなんだ!
麻由は前に出した腕を大きく振った。
早く掴まえないと、ナース服がぼろぼろになっちゃう。
そんな状態で昂ぶってきたら、私……。
男の肩らしきものに指が触れた。
ぎゅっと掴もうとしたが、相手の動きは早かった。
胸の当たりに手が伸び、一気に左右へ開かれる。
バリッという鈍い音。
胸のボタンが二、三個吹き飛ぶのが分かった。
「ああっ!」
105