蛮勇割拠
蛮勇割拠

発行者:青島龍鳴
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2012/10/09
最終更新日:2012/10/23 20:48

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蛮勇割拠 第1章 魔剣士と二人の王
姫を縛めていた鎖が
激しい金属音を鳴らした。
「それら全部が正解だ!!」
ヨーコ姫の表情は険しい。
「あの豚の暴虐のせいで
どれほど不幸が生まれたか
どれほど命が失われたか
属国がどれほど搾取されているか!
寸志の禄で誇りを売る
貴様に何がわかるものか」

憎しみに燃えた姫は
悪鬼羅刹に似ていたが
「勇猛果敢な姫君よ
豚さえ消せば国が救えると
本当の本気で思ったか」
魔剣士はせせら笑った。
「そもそも国を治めるが
豚の仕事と思ったか

「いやはや実に幸運だ」
ガリンジャは笑うのをやめた。
しかし涙は瞳に溜まったまま。
「この“任務”は騙されて
負わされたものだったが
お陰で貴女を助けられる」
座した剣士を目の前に
姫は疑問にとらわれた。

「貴方はいったい何者なの?」
謎の一部は間もなく解けた。
空気の籠った地下牢に
風を切る音が聞こえた。
音のするほうを見てみると
よく見覚えのあるものが
暗い地下牢を飛んでいた。
それは姫の鋼鷹とそっくりの
呪符を結ばれた飛剣だった。
ヨーコ姫は驚いた
飛剣を操る術というのは
カエツ国のみに伝わる
秘技の中の秘技だった。
王家の他に使える者など
いるはずはないというのに
飛剣はガリンジャの足元に
鳥の止まるように突き刺さった。
剣には二枚の紙が結ばれ
その一枚は鋼鷹の呪符
もう一枚は手紙だった。

ガリンジャは手紙を読むなり
「親父、良い機だ」と叫んで
鼻の右についた輪を抜き
ガリンジャは手紙を読むなり
「親父、良い機だ」と叫んで
鼻の右についた輪を抜き
短い鉈を抜き取ると
姫の鎖に撃ち込んだ。

ヨーコ姫は理解していた。
ガリンジャは間者だった。
魔剣の技を持ち士官を請い
謀叛に備え機をじっと待つ。
そして機は来たのだろう。
これから大軍が城を襲う。
万の兵が豚を襲う。
姫が失した反乱は
この男と仲間が為すのだ。

「ついて来るんだ牢を脱ける」
ガリンジャは笑みを浮かべて
格子の扉をくぐろうとして
こめかみをしたたかにぶつけた。
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