蛮勇割拠
蛮勇割拠

発行者:青島龍鳴
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2012/10/09
最終更新日:2012/10/23 20:48

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蛮勇割拠 第1章 魔剣士と二人の王
金色の衣を纏った豚は
その耳を疑った。
しかし続く口上が
頭だけでなく耳までが
おかしくなったわけではないと
蟇の脳髄にもわかるように
懇切丁寧に教えてくれた。

「我が国に対する侮辱の数々
我が身に対する恥辱の数々
そして何よりにもまさる
民草に対する暴虐の数々!
死をもって贖う他なし!」

なんとこれは謀叛なのか
抜刀を命じた卒長の
銅の兜を肉塊が殴った
この期に及んで妾を庇い
金属を殴った痛みに悶絶
愚帝の脳は糞がつまっている。
それにしても
愚帝を護る兵は数十
姫を守る従者は三人
謀叛にしても無謀が過ぎる。
しかし姫に一策あり
薄絹の衣の隙間から
両手で六本の飛剣を抜いた。
呪符の結ばれた飛剣を投げると
それらは真っ直ぐには飛ばず
鷹のように敵兵を襲った。


魔剣

姫は秘術を心得ていた

通常の剣士百人に比肩する
選ばれし者のみが持つ剣
若しくはそれに同等する
剣の製法と操作術。
かの麗しき姫君は
王家に伝わる秘術を得ていた。
鋼の鷹に襲われて
無力な兵は逃げ惑った。
愚帝の暴挙にも助けられ
奇襲は成功したかに見えた。

だが豚の額に飛んだ鷹は
剣閃の一つに払われた。
失禁した豚を庇ったのは
馬車の中にいた護衛だった。

異相

護衛の容姿はその一言に尽きた。
焼けたような褐色の肌は
南の果てから来たという
出生を表すもの。
180センチを越える巨躯も
珍しすぎるものではない。
五分刈りにして後ろだけ伸ばし
葦で結んだ腰までの長髪も
頬まで占める無精髭も
上体をはだけただらしない服装も
習慣の違いと認められよう。

しかし男を奇妙にしていたのは
褐色の体を覆う
夥しい数の輪っかだった。
耳、唇、額、肩
指、臍、腰に肘や膝まで…
現代でいうところの
ボディピアシングと呼ばれるような
数えきれないほどの輪っかが
男の身体の到るところに
穴を通してつけられていた。
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