‡ヴァージン・ナイト‡
第2章 2nd impact
「目が合って、スキンシップして、喧嘩して、ちゅう、だろ。んで、さらに仲直りのえっち、って感じだろ?」
「一番最後余計!! 蛇足!!」
もう真っ赤になりながら、必死で抗議。
ゴツゴツと何度も肩を殴るものの、男はびくともしないし。
ニヤニヤ笑うだけ。
もう、馬鹿伊織!!
「なんでだよ。本気でわけわからんな」
「なんでヤることばっか考えてんのよ?! テーマは胸キュンだっていってんでしょーが!!」
「…ますます分からん。どうせ行きつくところは同じなのに」
「過程が大事なの!! そこに至るまでの過程が!!」
「……ちなみに、どんな状況ならその胸キュンとやらになるんだよ」
ふと、真顔になった伊織が、私の顔を覗き込んだ。
できるだけ距離がつまらないように、と私は頭をそらしながら、
少し思案した。
―――胸キュン的、状況?
って、なんだろ……。
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