‡ヴァージン・ナイト‡
第2章 2nd impact
―――再び、あっさり、拉致された。
車がお屋敷の門の中に吸い込まれていって、停まったと思ったら、またしても伊織に担ぎあげられる。
自分で歩くことさえ許されずに、今度は別の部屋に連れて行かれた。
人ひとり担ぎあげてるのに、軽快な足取り。
正面入り口の、エントランスから伸びた階段を上って、2階に上がってゆく。
広い部屋だった。
フローリングの床に、毛足の長いラグが敷かれている。
広い窓、壁一面のクローゼット。
薄型のでかいテレビ。
高そうな黒い革張りのソファ。
…何より目に入ってきたのは、でかでかと部屋の中央に置かれたベッド。
ちゃんとシーツもぴっしりとメークされている。
……マ、マズイ…かも?!
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