‡ヴァージン・ナイト‡
第2章 2nd impact
……本当はちょっとほっとしたんだ。
その笑顔を見て。
この状況はちょっと無謀過ぎた…。
途方に暮れてたところだったし。
ひとりで叫んだところで、夜のド田舎に木霊がかえってくるだけで、一層虚しいし。
――でも!!
言いなりになるのはマズい!!
せめて次の手を考えなきゃ!
目の前まで来た男がニヤリ、と笑みを深める。
「さて、どーっちだ?」
え…?!
よく見ると、さ、さっきと服が違う…!?
黒いシャツに黒いパンツ。
で、でもこの口調…!
「う。………こ、……い、伊織?!」
「お。正解。あとでご褒美やろうなー、マドカ」
「い、…いりません!! 遠慮します!!! 」
確率2分の1。
どうやらこの賭けには勝ったけど…嬉しくないよ!
32