‡ヴァージン・ナイト‡
第2章 2nd impact
―――当初の作戦変更。
しばらく待っても、全然追いかけてくる気配がないから。
黒スーツの定時がジリジリ迫ってきているし。
やっぱり真っ直ぐに強行突破することにした。
とにかく車を出してもらって、走ってもらって。
取りあえず、どこか街っぽい場所まで運んでもらう、ストレートな作戦に切り替える(一応住所とか道とかも聞いたけど、今は役に立ちそうもないから、大人しく車に乗っていた)。
しっかし、あの双子……。
一体何を考えているんだ…?
ふかふかのリアシートに収まって、思考を回転させようとしたとき。
きゅっと車が突然道の真ん中で停まった。
……―――ま、まさか…!
真っ青になって運転席に身を乗り出した時。
9時です、と黒スーツが振り返った。
ご健闘を祈ります、と心にもないこと言われて。
宣言通り、……夜道で捨てられた。
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