‡ヴァージン・ナイト‡
第2章 2nd impact
さわやかに、事も無げに。
…どこかの映画にでも出てきそうな黒スーツの男が言う。
そろそろ汗をかきすぎて、喉がカラカラだし。
…叫ぶのもしんどくなってきた。
「…ね、ねぇ、私さ。一応まだ未成年の女の子なのね? …もうちょっと事態を重くみてもらえないかなぁ?」
「築嶋さんなら大丈夫です。…というか、私はどちらにせよ、伊織さまたちの味方ですし」
「なんでよ?! あんたたちの雇い主、犯罪行為しまくりだよ?! それに加担したあんたたちだって危ないよ?!」
「ええ、でも」
伊織さまと胡織さまの笑い声を聞いたのは、久しぶりですから、と。
黒スーツもにっこり笑った。
28