‡ヴァージン・ナイト‡
第2章 2nd impact
「いえ。まぁ…それでいいのでしたら、それでいいのですが。…それより何より、私、そろそろ定時ですので」
「は……?」
「9時であがりなんです。…なので後1時間くらいですね」
て、て、定時ぃ~?!
「どこのOL?! 残業しなさいよぉ!!!」
「………残業はちょっと」
ポリシーに反します、と。
掴みかかった私をかわすように、黒スーツがあっさりのたまう。
……………もう!!
ああ、もう!!
どいつもこいつも!!
あ!!
あ、あ、あの双子~~!!!
これを見越してコイツ寄越したな!!
…汚いよ!!
狭く、すこしカビ臭い物置小屋の中で、私は憤慨して、この憤りをどうにかしようと、頭をかきむしる。
「ですから、今から車を出しても、どのみち、どこかで築嶋さんを捨てていくことになるんですが。人里に入ればまず大丈夫でしょう」
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