‡ヴァージン・ナイト‡
第1章 1st stage
啖呵をきったものの、そんなの売り言葉に買い言葉。
そんな覚悟、まるでない私は、本気で泡を喰った。
あわあわしながら、双子の間を右往左往する。
ピ、と伊織がケータイで誰かに話しかけた。
「ああ、俺。ツキシママドカの口座に100万振り込んで。速効」
「ちょ、ちょ、ちょ!! 今の、今のナシ!!! 」
慌ててケータイを取り上げようと、ソファの伊織に掴みかかる。
あっさりかわされたけど。
「もう遅い」
ニヤ、と笑う伊織に、逆に体を押さえられたと思ったら、真っ先にムネに手が伸びてきた。
「――――っ!!!」
伊織は、むにむに、と制服の上から、私のムネの感触を確かめて。
―――ちょっと残念そうな顔を浮かべる。
「ちょっ!! 女の子のムネ触っといて、何その顔!! 失礼にも程が……!!」
「…まぁいいか。揉めばでかくなるっていうし。…やりがいありそ」
かぁ~~っ…!!
むっかつく!!!
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