お姉ちゃん巨大化
第5章 ☆優子の巨大化1・20m・三つ巴
もし本当にキノコが効いて20mになるのであれば、住宅密集地の自宅周辺では大変。間違って家を潰したりしたらどんな問題が起こるやら。この駐車場なら広い。そしてスーパーは周囲の建物とは密接していない。巨大化するならここでしてもらいたい。弟の慈愛。
一方の姉はイライラする。言いたい事があるなら早く言えよと、叫びたい気持ちが口の外に出そうになる。
「真治、いい加減に……」
そう言って弟の顔を覗き込んだ時だった、急に優子は体が変な感じがして目の前の弟が縮んでいくと見た。驚いた事に縮んでいく真治と目線の距離がどんどん離れて止まない。
赤い顔の真治、震えながらゆっくりと上を見る。キノコはウソじゃなかった。リアルだった。
少年が見上げる先には、巨大化した姉の姿。20mらしいから、真下だと胸のふくらみ具合が邪魔で顔が見えない。
中野優子、急に世界が変わった!
大空という見上げるべき存在が手の届く位置にあるではないか。震えながら自分の両手を見ると、明らかに大きさが違うわけであり、一緒に映るのは地面ではなく地上。
何事か理解しきれない少女が顔を動かすと、たった今買い物していたスーパーマーケットが足元にある。そのまま顔を後ろに向けたら、まるでミニカーかオモチャのように見える車が一杯。
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