PC売り場の誘殺2(掴んでみせよう・前編)
第6章 PC6・○□店の女子が騒ぐ・柴崎 藍( しのざきあい)登場!
バン! と、藍が握った手でロッカーを叩いたので急に静かになる。彼女は内心ドキドキしながらも、表向きは平静を装う。そして組んだ両腕を93cmのふくらみに当ててこう述べる。
「Iカップ? バカね、形が崩れてホルスタインよ、焼肉よ、焼肉。あなたちは貧乏人だから知らないね、Fカップを超えると大片は崩れて見苦しいのよね。分かる? そこの赤貧な方々」
柴崎 藍は冷静な顔で更衣室を出た。しかしイライラしながら、休憩中である店長のいる事務所に向かった。確認せねばなるまいと。
ノックすると同時にドアを開けると、森下尚樹に問う。新しくやってくる女はそんなに 爆乳なんですか? とか、Iカップとかいうのは本当なんですか? とか。赤い顔の尚樹は、ドアを閉めろと促してから会話に入る。
Iカップとは本当ですか? と、藍が繰り返すので、尚樹は赤い顔をして宥める。何回も大きな声でIカップとか言うのは止めろと。
画像を見せてください。藍はそう言ってノート型PCを指差す。出来れば全身が見たいが、顔だけでもある程度は分かる。彼女は店長に、○△店のHPで店員の写真を見せてくださいと急行のようにせがむのだった。
「こ、これは……」彼女は藤本 香の顔を見て焦った。これは非常に恐ろしいかもしれないと震える。
顔を見て分かるのは、まず藤本 香が長身グラマーではないという事。長身グラマーのIカップなら、この身長でFカップの自分の方が大いに魅力的だと安心できた。でも藤本 香の顔は、デブではないがムッチリではある。チビでもデブでもない。恵まれた裕福タイプだ。
柴崎 藍は、もしかすると健康的な感じが一杯のこの女はバストに関しては女神かもしれないと危惧する。そうだとすればアイドルの座を奪われる。許されない劇場が幕開けになる。
「ショートヘアーでチンチクリンなくせに!」と、激怒した彼女は思わずノート型PCのキーボード部分を強く叩いた。それにより内側のハードディスクが止まり、パソコンが煙を上げて死んだ。店長が保存していた爆乳画像や動画なんかも消え去った。
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