告白の行方
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成人向完結アフィリエイトOK
発行者:廣瀬 るな
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2010/06/18
最終更新日:---

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告白の行方 第8章 ダーク・ホース
 もしも長野の事を好きになっていなかったら、里歌の心は揺れた。もっと積極的に出会いを求め、彼のように真面目で誠実な人とこうして巡り会い、周りが祝福してくれる様な幸せな恋愛をして、結婚する事ができたかもしれない……。ふと顔を曇らせた彼女に
「会った事もない相手と、家族の命令で結婚するなんて古すぎるよ」
彼は会社の誰にも漏らしていないはずの秘密を囁口にした。
「えっ?」
里歌は足下をすくわれた気がした。
『そんなのはデマだ』
すぐに否定しようと思って口を開きかけ、訳知り顔の沢村の笑顔にかち合い動揺し
「あっ!」
気がついた瞬間、里歌は彼の腕の中にいた。
 背の高い沢村にすっぽりと包まれ、ほのかに漂う爽やかなコロンの香りを嗅ぎながら、里歌は早鐘のように鳴っている男の胸の鼓動を耳にした。
「恋愛して、ときめいて、その先に踏み出す人生に切り替えるってのは無しかな?」
優しい誘惑が、里歌をくすぐる。でも
「馬鹿な事言わないでください」
訳も分からないまま込み上げて来る怒りを抑え、彼女は手にしていた花束をぎゅっと握りしめた。
「これは、誰でもない、私が選んだ道ですから」
今更後戻りはできない。もう心は決めたのだ。
「ここでさよならです」
“夢見る少女”
もうおしまい。里歌は後を追いかけようとする沢村を振り切り、背を向けた。そんな二人を見つめる二つの目が有る事にも気づかずに。

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