告白の行方
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成人向完結アフィリエイトOK
発行者:廣瀬 るな
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2010/06/18
最終更新日:---

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告白の行方 第8章 ダーク・ホース
 ぎょっとしたのはつかの間。聞き覚えの有る声に安心し、振り向いたそこにいたのは、同期入社の沢村君だった。今では所属が違うけど、彼の誠実でまろやかな人柄を覚えていた彼女は、微笑みながら背の高い彼を見上げた。
「どうしたんですか、こんな所で」
なんて凄い偶然。そんな事を思いながら、思わず周りを見渡す。多分彼は仕事がらみで飲んでいて、たまたまここで会ったのだと思ったから、一緒にいるはずの仕事仲間を反射的に捜した、そんな所だった。
「参ったな」
沢村は照れたように頭をかくと、ふざけた調子で
「僕が君の事を追っかけて来たって思ってはくれないのかな」
と真顔で言った。その意味が分からず、里歌は一瞬小首をかしげたものの、彼の瞳の中に二週間前の自分を見た気がして
『あっ』
っと声が出そうになり、慌てて口を押さえる。
「何も、とって食おうてんじゃないから」
彼は照れ笑いを浮かべながら、やんわりと首を振った。そこにタクシーが滑り込み、
「ほら、来たよ」
背中を押された。
「えっ、あっ、ちょっと!」
有無を言わせず、その後に彼がつづく。
「困ります」
慌てて彼を押し戻そうとするけど
「246号線乗って」
妙に落ちついた彼の声に、それはまるで痴話げんかの様なやり取りで。
「承知しました」
という運転手の返事でドアが閉まり、二人を乗せたタクシーは出発した。
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