恋のはじまりは青空のように
第1章 小さな恋のはじまり
窓が夕焼けで赤く染まる頃、
私はケータイを机において、ため息をついた。
ずっと、
ケータイの画面を見ていたからか、
首のあたりが少し痛い。
目をつぶりながら、
首を左右にコキコキっとしてから
肩をほぐすように腕を大きく回した。
壁の時計を見ると、4時を少し回ったところだ。
『あと、1時間は来ないな・・・』
そう呟いて、机に頬杖をついた。
ここには私以外に誰も居ない。
グラウンドから
運動部の元気な掛け声が聞こえてくる。
窓からそぉっと覗いてみた。
みんな、
楽しそうにグラウンドを走っている。
私は孤独と退屈に押しつぶされそうになる。
『やっぱり、ユカ達と
カラオケでも行けばよかったなぁ。』
私は、今、人を待っている。
別に待ってろと言われた訳ではない。
でも、
やっぱり好きな人とは
少しでも一緒に居たい。
そう思って、ここにいる。
だって、ここのところ全然会ってないんだもの。
私の名前は、
佐々木 若菜。高校3年生。
卒業まであと1ヶ月ちょっと。
春からは都内の大学に進学が決まっている。
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