STIGMA Side-Kurosaki Vol.1
STIGMA Side-Kurosaki Vol.1
成人向完結
発行者:とりさん
価格:章別決済
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ジャンル:その他
シリーズ:STIGMA

公開開始日:2012/07/23
最終更新日:---

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STIGMA Side-Kurosaki Vol.1 第6章 5
「何で僕だったんだろう……」
「一人きりだったら、跡継ぎ男の子っていうのも、古い考え方だがある。後は、言いにくいけどね、幸一。ただ外見がかわいくて気にいったからだけじゃないかな」
 これは幸一には非常に残酷な言葉だったが、真実に近いと私は思っていた。それに小学校に上がる直前の子、というのも養子にするには遅すぎる。見てくれがよく、赤ん坊みたいに手がかからないというのが、今の幸一の父母が幸一を選んだ基準じゃなかったのだろうか。
 幸一は唇を震わせた。
「でも、でもお母さんは僕に意地悪ばかりしたよ。最近は減ったけど……」
「幸一は人間だ。おもちゃや人形とは違う。いざ子供にしてみたら、気にいらないってこともある。幸一が二人を好きじゃないみたいにね。どっちが先にそう思ったのかはわからないけど、相手を嫌いだと思う時は、だいたい相手にも嫌われている。嫌いになっても、おもちゃや人形なら捨てればいい。でも幸一は人間だから、そうはいかない。だからって勝手に子供にしておいて、意地悪していいわけじゃない。子供の方が立場が弱いんだから。幸一のお母さんは間違ったことをしているし、幸一はもっと憎んだり怒ったりしてもいい。ただそんなことをしても、幸一は得をすることは一つもないけどね」
 私は話しながら、身勝手にも憤りと興奮を抑えきれなくなっていた。幸一の両親の「身勝手」への腹立ちは間違っているとは思わない。幸一はうなずく。
「繰り返すが、間違っているのはお母さんだ。幸一のせいで意地悪されているわけではない。幸一が悪いわけではないんだよ」

 私の言葉は、幸一に強く響いたらしかった。幸一は唇をわななかせ、そして笑顔を作って私を見つめた。
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