STIGMA Side-Kurosaki Vol.1
第6章 5
「あれは嘘だ。世の中にはね、一定の歳になり仕事もして、結婚していないと変だと思う人がいるんだ。ちょうど幸一の今のお父さんやお母さんのように」
幸一は驚いたらしくまじまじと私を見ている。
「だから適当に嘘をついている。だいたい私は本当に『変な人』なわけだから、ばれちゃ困るんだよ」
と言って私は声を上げて笑った。
「私は昔から幸一みたいな男の子が好きだ。前に幸一を子供にしたいと言ったことがあるけど、もし法律が許すなら、結婚するなら幸一みたいな男の子かもね。でも現実的じゃない。女と結婚する気はないし、だいたいもし子供ができて、男の子だったら、その子ともセックスして平気な奥さんがこの世にいると思えないね」
幸一は自分と結婚などという言葉に混乱したようで、しばらく考え込んでいた。私はニヤニヤしながら、そんな彼を見つめていた。
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NIGHT
LOUNGE5060