STIGMA Side-Kurosaki Vol.1
STIGMA Side-Kurosaki Vol.1
成人向完結
発行者:とりさん
価格:章別決済
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ジャンル:その他
シリーズ:STIGMA

公開開始日:2012/07/23
最終更新日:---

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STIGMA Side-Kurosaki Vol.1 第2章 1
 私は握った手を離さず、幸一をマンションのエレベーターに導いた。彼はずっと無言で、うつむいたままだった。
「学校の勉強は、何が好き?」などありがちな質問をしてみるが、やはり答えはない。答えられない自分に焦りを覚えるのか、手汗はにじみ、私の手を握る握力は増す。
「全部嫌いなのかな?」などとからかい節に言ってやる。幸一は恥ずかしそうにうつむいて、さらに私の手をぎゅっと握って、それが強すぎると気づいたのか、すっと力を抜く。私はその手をそっと握り返す。シャイで気弱な仕草がたまらない。私は彼をからかいたくなってしまう。
「ごめんごめん。本当は全部得意なんだろう? 幸一君かしこそうだものな」などと追い打ちをかけてやると、幸一は慌てたように首を強く振る。色白の顔が朱に染まっていた。私は思わず声を立てて笑い、「幸一君かわいいなあ」と、いささか性急かもしれないが、本音である言葉を漏らした。そんなことを言われて素直に喜びを表す歳でもない。幸一はますます赤面しうつむき、また私の手を握る小さな手の握力がぐっと増した。

 さて、私は幸一を無事に部屋に招き入れることができた。おじゃまします、という彼の手を引き、ろくに靴を脱ぐ間も与えずリビングに向かう私は、ドアが閉じた時点から嵩ぶりを抑えきれず性急に強引になっていたと思われる。

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