STIGMA Side-Kurosaki Vol.1
STIGMA Side-Kurosaki Vol.1
成人向完結
発行者:とりさん
価格:章別決済
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ジャンル:その他
シリーズ:STIGMA

公開開始日:2012/07/23
最終更新日:---

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STIGMA Side-Kurosaki Vol.1 第5章 4
「言葉は聞いたことあるけど……知らない」
 本人の性への目覚めは、本来まだまだというところだ。四年生だと女児の方が先行しているだろう。だが早熟あるいは耳年増な同級生あたり、「年頃」の兄のいる子あたりから、そろそろ情報は入ってくる頃だろう。
 私は靴下を脱いでしまい、幸一の方へふり向いてベッドに足を上げ、じっと寝ている幸一の靴下も脱がせた。それから幸一の両肩の横に手をつき、彼に覆い被さった。幸一の色白の顔は火照っていて、目は潤んでいた。
「幸一は、本当のお父さんとお母さんが、裸で抱き合っているのを見たことあるんじゃないか?」
 聞き出した幸一の特殊な生育歴から、それは直接的に口にされなくても、あったに決まっていた。ただ正確には、男の方は本当の父親かどうか定かではない。
 幸一は返答できなかった。母親を殺害した男のことを思いだしたかもしれない。私はあえてそういう記憶を蒸し返したのだ。
「『普通』はね、大人の男の人と女の人がするんだ。抱き合って、お互いに気持ちよくなる」
「でも、お母さんは……苦しそうだった、けど……」
 幸一の表情が動いて、ぼそぼそと言った。私は幸一の顔に顔を寄せる。
「お母さんに訊いてみた?」
 訊けるはずがなかった。幸一は首を振った。
「すごく気持ちいい時と苦しい時って、似たような声、出るもんなんだよ」
 でも……と口が動いたが、幸一は結局何も言えなかった。
「嫌なこと思い出したかな?」
 私は幸一のさらさらの髪をそっと撫でた。もちろん私はわざと思い出させたのだ。
「お母さんは男の人に殺されたって、幸一は私に話してくれたね。でもそれはたまたま、その殺した男があまりにも『普通』じゃなかっただけだ。自分をいじめる人と一緒に住んで、何回も裸で抱き合ったりするわけないだろう?」
 実際には、支配と服従、暴力が日常である男と女の関係もあるし、幸一の母と男の場合、SM的性嗜好の果ての可能性もあったが、ここでそんなことを幸一に説明や理解をさせる気はない。
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