STIGMA Side-Kurosaki Vol.1
STIGMA Side-Kurosaki Vol.1
成人向完結
発行者:とりさん
価格:章別決済
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ジャンル:その他
シリーズ:STIGMA

公開開始日:2012/07/23
最終更新日:---

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STIGMA Side-Kurosaki Vol.1 第3章 2
 幸一をこたつのそばの座布団に座らせて、
「ごめんね、ちょっと仕事の続き、あるから待ってて。机にそのマンガの続き、五冊出してある。それ読んでもいいし、好きなゲームしててもいいよ」
 などと言って、彼をわざとがっかりさせた。すぐに幸一の表情はしゅんと曇ってしまう。このわかりやすさ。
「おじさん、お仕事だったら僕……」
「いいからいいから。すぐ終わるよ。いつでもいい仕事だけど、キリが悪いだけなんだ」
 と腰を浮かせる幸一の肩を、私はちょっと強めに押して座り直させた。
 私は幸一に背を向けてパソコンに向かう。実のところ仕事がないわけではないが、何も日曜の今やる必要などなかった。彼をできるだけ楽しませて、いつまでも帰りたくないとか、何度でも来たい場所に、ここを仕立てる。そのためのじらしだ。
 幸一は音がうるさいだろうと気を遣ったか、一人では面白くないのか、ゲームには手を伸ばさず、黙々とマンガを読み進めていて、それなりに集中していた。私は時々、「間違った」などと白々しい独り言をもらして、幸一の注意を引いた。もう仕事終わったかな、などと思わせるためだ。
 間が持たなくなった私は、三十分ほどで「よし!」と膝を叩いて立ち上がった。幸一は読みかけのマンガを伏せ、私を見上げた。
「幸一、今日のお昼ご飯は? もうお母さん、作ってるかな?」
 幸一は首を振った。読み通りだ。昼に呼び戻されるなら、こんな半端な時間に遊びには来ない。本当に彼が、本だけ返してさっと戻る気だったなら別だが。
「あれれ、お母さんはお出かけかな? じゃあお昼、どうするつもりだったんだい?」
 私のお芝居がかったセリフに、幸一はうつむいて、なかなか返事は返ってこなかった。
「今日はどこかで、お弁当買って、食べようかな、って……」
 せめて何か作り置きでもしておいてやればいいものを。やはりろくでもない母親だ。だが私の計画には好都合だった。
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