STIGMA Side-Kurosaki Vol.1
第3章 2
日曜の朝、私はいつもと変わらぬ午前七時に、目覚ましが鳴る直前に目覚め、鳴り始めたブザーを止めた。独り者で、勤め人でないがゆえにいかなる不規則な生活も誰も咎めない自由な暮らしではあるが、それ故にこそ、起きる時間だけは休日も定時とする習慣だ。寝る方は仕事の調子で全く変わるが、睡眠が三時間になろうと十時間になろうと、午前七時起床は、変えない。私の午前七時起床は、体内時計に刻まれている。
今日幸一は来るだろうか。幸い、日曜だ。世間も学校もゴールデンウィークの連休に入っている。早く来てくれればそれだけ長く彼を拘束できる。拘束と言っても、何も強要しない。彼がここにいたいと感じるように仕組むのだ。私と私の部屋で過ごしたいと思うように、仕向けるのだ。鉄は熱いうちに打て、という。今日来てくれれば、昨日の伏線を引き継げる。
16
NIGHT
LOUNGE5060