STIGMA Side-Kurosaki Vol.1
第2章 1
私は様子を見ながら、言葉でほめたりからかったりするだけではなく、頭を軽くはたいてやったり、ほっぺたをつついてやったりした。彼の方から私の太ももをぽんっと叩いてきた時には、しめたと思った。こころの垣根が、一段階低くなった。だが幸一は、自分のその行為にやや戸惑い、しまったという表情で私を見た。私は今こそと身構えたが、その瞬間気を散らした幸一がゲームで失敗をしたので、私は彼を言葉でからかい、抱きよせて両脇をくすぐってやった。幸一は「やめて」と言いながらも、私の太ももをまた叩いて、私の胸に顔をうずめるようにくっついてきた。私はまた鼓動の高まりを感じた。こうして少年との距離を縮める過程は、少年とのセックスそのものと同じくらい、私を嵩ぶらせ、楽しませてくれる。私は幸一を優しくきゅっと抱きよせた。幼児のように。幸一はもうからだをこわばらせたりせずに、私にされるがままだった。
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NIGHT
LOUNGE5060