実録 亜紀の初恋 第二巻
第1章 机に彫った名前
一気に接近範囲が
近づいただけで確かに
拍子抜けしたけど
内心はもちろん、胸いっぱい嬉しかった
裕くんは亜紀のことを嫌いに
なったのかなあ
亜紀は、裕くんとせっかく
同じクラスになったのに
むしろ窮屈さえ
感じてしまうことがあった
いつでも裕くんを見ていることが
できるということは
いつでも裕くんに見られているって
ことになるのだから
そうなると、先生に当てられた時に
答えれなかったら
恥ずかしいなあ
すでに、亜紀は
ほとんど勉強に遅れをとった
状態だった
何かにつけて、亜紀は裕くんを意識する
機会が増えてしまい
カチコチだった
そんな日々のなか
あるときから見かけは、
きゃしゃな男子のTくん
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