不夏思議起端
不夏思議起端
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発行者:雪弁広
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ジャンル:ホラー・オカルト
シリーズ:♯1 よぶこえ

公開開始日:2012/06/17
最終更新日:2012/06/17 02:39

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不夏思議起端 第1章 びっくり箱の中身は
 炎天下とも言えるであろう今日この日。そらは初めて、サーっと体中の血の気が引き寒気が体を包むのを感じ取った。そして、数分してようやく停止していた彼女の思考回路が復活する。
 「なんてもの持たせるんですかー!」
 涙目で訴えるそらに、夏目はなにくわぬ態度で告げた。
 「君が勝手にキャッチしたんだろう。頭で」
 皮肉にも等しい言葉だったが、正論であるためそらはただ「うぅ…!」と困ったように小さく呻くしかなかった。
 そらの思考回路が復活したのを確認すると、ドアノブをひねり扉を開き先に出るように促し、彼女が出たのを確認すると自らも部屋を後にした。
 この店には、入口の扉を開けると少し歩いた先にテーブルと椅子、そしてテレビの3つで構成された憩いのスペースがある。まるで、ちいさな診療所のようだ。
 2人はお茶を飲むためその場所へ向かい、廊下を歩いていた。
 「あけないの?」
 まるでそらの抑制心を試すかのように、夏目は訊《たず》ねると含み笑いをこぼした。
 「なんてにやついた顔! いじわるですよ、いじめいくないです!」
 「そんなににやついてないよ」
 夏目の問いにあわてて必死に訴えるような反応示すが、彼は至って冷静に表情について訂正をするだけだった。
 しばらく歩いていると、そらの為に1室空けて用意された従業員用の部屋の前にさしかかる。荷物を置いたり着替えたりする時に使うよう用意してくれたものだ。
 「それじゃあいつものように、ちゃんとエプロンつけて準備してね。バイトさん」
 「はーい!」
 元気のいい彼女の返事が、かすかに外から聞こえてくる蝉の声に混じり溶けるように消えていった。
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