脳移植
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発行者:ヒナギク
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2010/05/31
最終更新日:---

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脳移植 第1章 1.手術
「え?」
「貴方はドナー登録をしてますよね。検査の結果、弟さんの遺伝子情報と貴方のものが一致したんです。なので、移植をするのであれば、貴方の脳を使おうと思います」
 それで健ちゃんの意識が回復するなら私はどうなってもいい。これも愛する弟のため。この命、神に返そう。
「分かりました。私の脳を健ちゃんに移植して下さい」
「では、中に入って下さい」
 私はオペ室に入った。
 手術台の上で眠る健ちゃんの隣には、空の手術台が置かれている。
「そこに寝て下さい」
「はい。けど、その前にちょっとだけいいですか?」
 私は健ちゃんに近付いてその顔を見据える。
「健ちゃん、私が居なくなっても一人でやってける?」
 私と健ちゃんは二人暮らし。両親は一年前に借金を置き土産に行方をくらましてしまった。以来、私は無遅刻無欠席で二年間通い続けていた都内の公立高校を退学して会社に就職。更に睡眠時間を削って幾つかのアルバイトを掛け持ちでやり、生活費を稼ぎに稼ぎまくって健ちゃんを養ってきた。そんな私が死んだら、健ちゃんは一人でやってけるのだろうか。だが、躊躇ってる場合ではなかった。
「健ちゃん、私は健ちゃんの事、異性として好きなの。健ちゃんの子、欲しかったな」
 私はそう言うと、お別れの挨拶として、健ちゃんと口付けを交わした。
「お願いします」
 私は手術台の上に横たわった。
「麻酔用意」
 助手が薬の入った注射器を準備し、その針を私の腕に突き刺した。
 それから暫くして、睡魔が襲ってきた。
「バイバイ、健ちゃん」
 私はそう呟いて目を瞑った。
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