神王~DANTE~ 【BL】
神王~DANTE~ 【BL】
成人向
発行者:仁蕾
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ジャンル:その他

公開開始日:2010/05/29
最終更新日:2010/07/31 17:07

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神王~DANTE~ 【BL】 第1章 捜索
  ◆


 漆黒の毛並みをした大きな馬が、背中に唯一の主であるカロンを乗せて疾駆していた。大きく揺れる軍馬の背中。カロンは鞍を載せず、馬に轡を噛ませていない為に手綱すら握っていない。それでも一切のブレもなく、馬の背で通信水晶という直径3cm程の紅玉を使って、一番信頼している部下と連絡を取っていた。


「セーラン、ちゃんと聞いてんのか!?」

≪聞いてます!今調べてるんですから、ちょっとは我慢して下さい!≫


 上司を怒鳴りつける彼は、セーラン・フリード。レテディウス帝国正規軍特殊部隊大佐の任に就く〝忌子〟である。


「早くー。夜になんじゃん。」

≪貴方…まさか、そのまま行く気ですか!?戯言も大概にして下さい!仕事、溜まってんですからね!?≫

「聞こえません。」

≪だー、もう!良いですか、報告しますよ!?≫

「だって、黒雲(くろくも)。ちゃんと聞いててね。」


 笑いながら漆黒の鬣を撫でれば、ブルンと一つ鳴いた。


≪そのまま進んでて下さい。グラム街を過ぎてモノグル村に向かって下さい。村を更に行った所に、人を拒む樹海があります。その樹海の奥深くにある〝青ノ滝〟に目的の花が存在します。≫

「あんがとよー。んじゃ、様子だけ見て来るわ。」

≪樹海に近付いたら通信は使えません。お気を付けて。≫

「了解。」


 ブツリと通信が切れたと同時に、水晶がザラリと粒子になって空気に流されて行った。
 馬の腹を軽く蹴れば、走るスピードが更に上がりカロンの髪と衣服を乱す。
 駆け続けてしばらく。空が濃灰から薄闇へと変わり始めた頃、カロンは樹海の入口に辿り着いていた。


「あらら…ホントに夜だよ夜。」


 只でさえ人を拒むと言われる樹海。夜の帳が降り始めている今、果たして進んで良いのか。装備も軽装。何かあったら打つ手があるのか。
 少しばかり考えたが、カロンは進む事を決めた。
 無謀である事は重々承知していたが、近場の村は既に廃村となっており誰一人として居なかった。その為、食料もなければ寝床もない。故に、無謀だとしても進む事に決めた。
 馬の背に跨り、ゆったりとした足取りで、濃霧の中にその背が消えて行く。少し進んだだけで、1m先も見えない程の霧が行く手を阻む。それでも馬の足を止める事無く、本能に近い勘で右に左にと指示を出す。唯一の救いは、大きな崖の上に樹海が無い事だった。
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