神王~DANTE~ 【BL】
神王~DANTE~ 【BL】
成人向
発行者:仁蕾
価格:章別決済
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ジャンル:その他

公開開始日:2010/05/29
最終更新日:2010/07/31 17:07

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神王~DANTE~ 【BL】 第1章 捜索


 羅雫の紺碧の目が、苦々しく細まった。
 青い鱗が淡く光を纏うと、ポフンと音を立てて龍の姿から青髪碧眼の少年の姿へと変わり、シェオルの腕に抱きかかえられていた。


『ボクに言えば届けたのに。』

「そうは言っても…。」

『アンタの親父殿のトコに行ってたんだよ!』


 空から口の悪い女の声が降って来た。同時に大きな羽音と共に、強烈な風が吹き付けた。
 シェオルと羅雫が上を見上げれば、金と紅が入り混じる羽毛に身を包んみ、孔雀の様な尾を翻す大きな鳥が居た。。


「お帰り、クレア。」


 シェオルの言葉に女の声が「ただいま。」と答えれば、その高貴な朱の鳥の姿が羅雫の様に煙を纏い、地面に降り立ったのは豊満な肉体の女。羅雫は威嚇する様に女を睨み付けた。
 クレアは全く以って気にした様子も無く、近くの岩場に腰を下ろして揺れる水面に足を付けた。


『ね、シェオル…ボクの親父殿に何の用だったの?』

「オレの封印石の調子が悪かったからさ。仮の封印石は受け取ってたから、本体をクレアに持って行ってもらったの。」


 縋り付く様に身を寄せて来る羅雫の顔は必死だ。シェオルは羅雫の頭を撫でながら、くすくすと笑みを湛えている。
 羅雫とその父である海龍王は仲が悪いのではなく、溺愛する父親に辟易している息子という感じだ。羅雫が生まれてから500年、その溺愛っぷりに拍車はかかっっても衰える事はない。


『…でも、仮のヤツは力が弱いよね。此処、見付かっちゃうんじゃ…!』


 この滝は、シェオルにとって故郷であり、安寧の地だ。それを奪おうとする者を、羅雫とクレアは容赦無く叩き潰す。


「その時は…仕方ないから、此処を捨てるしかないよ。」


 ふわりと微笑むシェオルに、羅雫は何も言えなくなってしまう。
 今にも泣き出しそうな羅雫に、クレアは微笑んだ。


『坊や、シェオルの無防備は今に始まった事じゃないだろ?』

『そう…だけど…。』

『いざとなったら、あたいらが護れば良い。』

 な、と優しく問うクレアに、羅雫は少しの間を置いて小さく頷いたのだった。

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