神王~DANTE~ 【BL】
第5章 課題
「何でまた。」
「ご懐妊されたのは知ってますよね。」
「おう。」
「そのお腹の子が…〝忌子〟である可能性が高いそうです。」
カラン、と落としたのはフォーク。あまりの驚きに、全てが停止する。
「マジ、か?」
「ええ…と言っても、ご本人がそう言われるだけですので、真偽の程は生まれてからでなければ。」
もし、〝忌子〟なら。
嫌な結末にしか行き当たらない。
「っ、あいつも…ガキも…殺される事になるじゃねーか…!」
過去に何度かあった。
現皇帝の他の側室が身籠り、生まれた子が男児であろうと〝忌子〟であれば、母子共に容赦無く且つ秘密裏に〝処分〟されて来た。例え、どれ程の寵愛を受けていても。
ルディアナも、現在一身に皇帝の寵愛を受けている。もし、本当に腹の子が〝忌子〟であるのなら、間違い無く葬り去られるだろう。
「くそ…来週の何時だ。」
「将軍に話があるそうなので、日程は合わせるとの事です。どうしますか。」
「休み明けに朝七時。ウィリーの所に行って来る。」
「了解しました。伝えておきます。では、報告は以上となりますので失礼します。」
「おう。」
セーランは何も言わずに、空になった食器を持って部屋を出て行った。
「あー…もう!頭のイテー事ばっかだぜ…。」
本日一番の深い溜息が零れてしまったのは仕方がない。
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